圧倒的なスケール、村上隆の五百羅漢図展に行ってきた

六本木ヒルズ森美術館で開催されている「村上隆の五百羅漢図展」に行ってきました。昨年10月末から始まった展示も3月6日(日)で終了というこ とで残り僅か。この手のイベントはお誘いでもないと自ら足を運ぶことはないので貴重な体験です。

村上隆さんといえば、以前ルイヴィトンとコラボしてたよね・・・という程度しか知識がなく、実際に作品を見たのは初めてだったかもしれない。なんでも日本国内では2001年以来、14年ぶりとなる大規模個展だったようです。

いきなり驚くのが入り口にあった(いた?)等身大村上隆像。信じられないような精度で、リアルにそこに人間が存在するとしか思えず脳が混乱する。 良く見れば見るほど、人形ではなく生命が宿った人間のように思えてしまう。人間のように眼球も動くし口も動く、皮膚の感覚も驚くほどのリアリティ。よく出来た蝋人形もまるで人間のようだと言うが、今回見た村上隆像はパッと見てもじっくりみても人間のようにしか見えなかった。気味が悪く グロテスク、足早に立ち去る人もいたほど。

現代美術もとより美術全般について門外漢であるため、おそらく意図するところの数パーセントも理解できなかったかもしれないけれど。ポップな配色 や絵柄の中にも、狂気が潜んでいるような静かなる迫力を感じました。歴史や過去の作品を徹底的な分析・研究から現代へテクノロジーを駆使してアプ ローチする。一つ一つの作品は解説がないと情報量が多すぎてただただ圧倒されてしまう。解説をみたところで、すんなりと頭に落ちてこない・・・、 無理に理解しなくとも良いと割り切るしかないです。

メインとなる絵画史上最大級の全長100メートルに及ぶ五百羅漢図というのもがイメージ湧きませんでしたが、もはや壁画というかなんというか。遠 目で見てもスケールの大きさと迫力に驚き、近くで凝視すると細部にまで凝った描写でこれまた驚く。どうやったらこのようなものが出来上がるのか想 像もできないのだけれど。後半に展示されていた製作過程を解説するDVDを見てなるほどと。その他、制作過程のプロットや村上氏から辛辣なコメントが書かれた作業指示書*1なども展示されており、これはこれで興味深かった。

それにしても。こんな大作を完成させたあと、どんな気持ちになるんだろうか。大いなる達成感、それとも脱力感なのか。
理解したいけれども、なんだかよくわからない、うーむ・・・と考えていたら、(全作品写真撮影OKという展示会でしたが)なぜか一枚も写真を撮ることなく会場を後にしてましたとさ。

当日、スカイデッキにもお立ち寄り。

前回ダースベイダー展の時にはものすごく混んでいましたが今回は人手も少なく。まぁさすがにこの時期の野外、寒いですからね。

東京シティビューでは「MEDIA AMBITION TOKYO 2016 東京と世界と、過去と未来と、技術と芸術が爻わる祭典」が開催されてました。最先端のテクノロジーを駆使したこの手のイベントは好み。ただ当日 は調整中となっている展示物が多くあって残念でしたが。テクノロジーの進化は楽しみです。

ふらっと出かけて、刺激的な体験ができるのは東京だなぁと地方出身者は思うのです。

*1:レベル低いなー、ボケ、などストレートな表現もあり