2011年F1第3戦 中国グランプリを終えて

今季のF1はKERSの復活とDRSの採用、そしてなによりBRIDGESTONEからPirelliへタイヤがチェンジしたことで、スリリングな展開の連続。第3戦の中国GPではHamiltonがRed Bull・Vettelを下し今季初優勝となった。日本の小林可夢偉選手が過去の日本人ドライバーと違い、期待の持てる走りを披露してくれているのも、例年にない楽しみとなってる。

マシンのポテンシャル的には、予選を圧倒的なスピード差で制するRed BullがVettelの稀有な才能を差し引いてもNO,1は揺るがないだろう。MACLARENもテストの不調が嘘のような速さを手に入れてきた。Ferrariは逆にテストは好調だったのだが…Mercedesも今ひとつ乗りきれない。RenaultはKubicaの欠場が痛いが、Petrovがそこそこ速い。Williamsはもう少し良いと思ったのだが、目立たない。

オーバーテイクが少ない、スタートで順位が決まってしまい退屈なレースが多い、という批判がもとで規約変更を行ったF1だが、今季ほどレースに影響がでている変更は近年にはなかった。個人的な感想を言えば、確かに最後まで優勝がわからないという展開は歓迎だが、今回のレースで予選Q3敗退の18位スタートのWeberが3位表彰台にまで順位を上げてしまうのはどうなのか?と思わなくもない。(かつてのF1でも予選下位から表彰台というレースもあったが…)というのも、3位になった要因が予選失敗したことで、結果的に「新品のソフトタイヤを3セット温存できたから」だという。これでは少々タイヤの要素が大きすぎるのではないか。タイヤの新旧差、摩耗度合いの差で車両や腕の違いより、タイムに与える影響が圧倒的過ぎると、なんとなく興ざめしてしまう気もするのだが…。予選の意義が薄れてしまうとまでは言えないが、なんか釈然としない感じ。

まだまだ序盤、信じられないようなドラマが起こるのがF1。今年もチェックしていきたいと思う。