スキニナルコト

「なんであそこのラーメンが好きなの?」
「なんでそのクルマを買ったの?」
「彼女のどんなところが好きなの?」

そんな質問をされると、普通それなりに理由を考えて答えると思う。ラーメンであれば、「スープの出汁と麺の太さがいいんだよね」とか「この車はエンジンが直噴ツインターボセミオートマのトランスミッションで、ジウジアーロのデザインなんだよ!」とか。彼女はさ「知的で物知りで、優しくてきれいで…」と延々と長所とお気に入りのポイントを話すと思う。

でもね、そうじゃなくて。

「なんだか分からないけれど、いつの間にかただ好きになっていた」ってのが本当なんだと思う。理由なんてきっと後付なんだとと思う。好きにることなんて理屈なんて無いんじゃないかな。

なんでもそれなりな理由をつける。でもそんなの自分や周りを納得させる体の良い言い訳であって。本当は「(なんだか分からないけれど)好きだから」としか言いようがないのが本当に好きなときなんじゃないのかな。一目惚れ、(なんだか分からないけれど)出会った瞬間にピンとくる存在。どんな嫌なことがあったりダメな姿をみても許せる人。理屈抜きになんでも受け入れられて愛おしく思える人こそ本物なんだと思う。

彼女(彼氏)の好きなところって何?と聞いて、すらすら出てくる答えはたぶん嘘。本当は自分でもよく分からないのが正解じゃないかな。そんな存在になり得る人なんてとっても貴重。人生でもほんの僅かなんだともう。そんな人を知ってしまったら、代わりなんていないんだよね。