ヤケド治療に要した悪夢の1ヶ月

忘れもしない2月25日、やっと帰宅し時計も既にてっぺんを指す頃。
なぜかその頃は連日連夜パスタを作っていて。

直前にLINEで今夜は何パスタが良いかと友人と相談しつつ、パスタの茹であがりを待っていて。なぜかイライラしていたんですよね、その夜。だからちょっと雑に普段よりもたっぷりのお湯にバサーっと塩を投入、パスタを豪快に茹でいた。そんな時、調子にのって茹であげたばかりの熱々のお湯を足にどばーーーっと。右足の甲を広範囲に、熱さというより激痛。

当然すぐにシャワーで冷やす。30分、1時間…寒さで凍えそうになりながら、冷水を患部に当てつつ絶望していた。
直後はなんとなく赤いくらいの患部も、その後どのようになるかが容易に想像できたから…。

普段ならスリッパを履いていたのに…。焦らなくても良かったのになぜ不安定な場所で…。なんてツイてないんだろう…すでに冷たすぎて感覚のなくなっている足を眺めながら、疲れとイライラで気分が悪くなった。

徐々に激しい痛みが連続して襲ってくるようになり、痛みに耐え切れなくなるとバケツに入れた冷水に足を突っ込むことを繰り返し、眠れないまま朝に。夜間救急病院に行こうかと思ったが、あいにく救急対応可能な病院では、皮膚科の専門医が当直ではなく翌朝来てということだった。

翌朝になると患部は腫れており大きな水ぶくれ。破れないように注意しながら、やっとの思いで医者に。しっかり初期の段階で流水で冷やしたことを評価されるも全治約1ヶ月の診断。足の甲だったので、スリッパのようなものでも歩くこともままならない通院生活が始まる。

数日後、膨れ上がった水を抜いてからは湿潤療法を開始。湿潤療法では、細胞成長因子を多く含む滲出液を常に患部を程良く潤わせるのが基本。雑菌からの感染症が一番の大敵となるので抗生物質も投与される。

水ぶくれとなりふやけた皮膚を削ぎ落とし、新しい皮膚が再生されるのを待つことに。この時期が一番痛かった。階段を一段登るだけでも激痛が。その頃は歩き始めに(痛みが来る)覚悟を決め、決死の思いでした。数日は我慢したが限界、たまらず痛み止めを処方してもらう。真っ赤な剥き出しの皮膚は写メに残してあるがグロテスク過ぎて見せられるものではない。

基本は、褥瘡(床ずれ)・皮膚潰瘍・ 熱傷潰瘍などの治療薬であるフィブラストスプレー*1(bFGF製剤、トラフェルミン)を吹付け皮膚の再生を促し、コンバテックジャパン・ディオアクティブETで表面を覆い、潤いを保ちつつバイキンから保護、2日に1度は取り替えるというもの。

風呂は当然NG。シャワーも幹部が濡れないようビニールで足を覆いながら。マジックテープの靴しか履けず…何とも情けない。先生の当初の予想どおり約1ヶ月かかり完治宣言がでました。

損傷した組織は再生することはなく瘢痕組織に置き換わるため、少なからず“傷跡”が残ってしまうのは仕方のないことですが、比較的キレイに治ったのかなと思ってます。もうこれ以上自分の身体に傷が残るのは嫌だ。

*1:世界初のヒトbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)製剤。湿潤療法下では特に効果はないという意見もあるが、個人的には効果ありと思っている。