W杯ブラジル大会1次リーグB組 スペイン☓オランダ戦。前回王者が1−5で大敗してしまった。そもそも前回ワールドカップの決勝で当たったカードが、いきなり予選1戦目で激突するということ自体も嘘のような話なのだが。
それにしてもファン・ペルシーとロッベンのシュートがすごすぎる。
VTRで見ても鳥肌が立つ。
センターサークル付近からのフィードされた後方からのボールを、ダイレクトでヘディングシュート、かつループでキーパーの頭上を抜くとは。今大会のワールドカップでもベストゴールの一つとなるのは間違いないだろう。
頂点を極めたスペインのポゼッション・サッカーのプライドが砕け散ったように見えた。4年でこれほど衰退してしまうものなのか。それとも攻撃的パスサッカーを打開するための戦術が、一世代前のようなカウンターサッカーだったのか。ロングボール、アーリークロスにファン・ペルシー、ドリブルでロッベン。前線へつなぐスナイデルの技術。超人的な前線選手の能力に頼るサッカーは、過去のものとなったはずだったのだが。
ただし今回のオランダは5バックで守りを固める単なるカウンター戦略ではなく、ラインを高くしてプレスを強めた攻撃的カウンターサッカー。ただし最後のゴールゲッターは、ファン・ペルシーとロッベンにスナイデル頼み。ポゼッション・サッカーはなんだったのだろうか。ファンタスティックなパス連携を打ち崩すより、圧倒的なゴールゲッターなのだろうか。スペインにメッシがいたのなら、また違った結果になったのだろうか。
パスサッカーの代表的チームであるバルセロナのサッカーが機能しなくなりつつあるのは、2013年4月のチャンピオンズリーグ対バイエルン・ミュンヘンその予兆が見えていたのだが。バイエルン・ミュンヘンはロッベン、リベリーを中心の高速カウンターで4−0で圧勝したのだった。
日本はファン・ペルシーのような圧倒的能力をもったFWが存在しない。カウンターサッカーを目指しても難しいだろう。ザック体制となったこの4年、スペインやバルセロナのような細かいパスでつなぐサッカーを標榜してきた。そしてそれが機能してきたが、密かに歴史は次の段階に進んでいたのかもしれない。
正当な技術から構成される細かいダイレクトパスサッカーは美しい。見るものを魅了する。ただし、勝つのは古臭いカウンターサッカーになってしまうのか。スペイン、もしくはバルセロナのようなサッカーをしてきたザックジャパンの戦いから目が離せない。