いよいよブラジルワールドカップが開幕

サッカー日本代表中田英寿の時代でピークを迎えたかのように言われた時もあったが、その後も次々に新しいスターがでてきて頼もしい限り。4年に1度のビッグイベントがもうすぐ始まる。

普段は愛国心などというものを意識することもないが、自国が出場しているのとしていないのとでは熱量が違う。街中が一体となり応援するお祭りムードは嫌いではない。圧倒的な高揚感はワールドカップ独特のものだと思う。渋谷駅前のスクランブル交差点が大変な盛り上がりとなるのが恒例となったのは、2002年の日韓ワールドカップあたりから顕著になってきたのではないか。夢のようなあの年の6月、トルシエ率いる日本代表の躍進とその裏側はDVD「六月の勝利の歌を忘れない 日本代表、真実の30日間ドキュメント」で振り返ることができる。貴重な映像をよくぞ当時残してくれたものだ。サッカーファンは必見。松田…格好良かったよ。

それにしても日本代表選手の大半が欧州リーグでプレーしているなど想像も出来ただろうか。世界的にもメッシ、クリスティアーノ・ロナウドが円熟の時を迎え、新世代のネイマールのプレーに注目があつまる。そして未だ世界的には無名の選手がワンダーボーイとしてブレイクする場でもある。いまでも1998年のフランス大会でのオーウェンの鮮烈なゴールシーンはハッキリ覚えている。

ワールドカップサッカーはドラマチックであり、どうしたらこんな展開が予測できるのだろうか、という信じられない場面にしばしば出くわす。日本代表の戦いも注目だが、他の試合も見逃せない。短期決戦では、番狂わせも起こりうる。本命とされるホームのブラジルでさえ絶対はないのだ。

サッカーにおいてゴールは常に奇跡的だ。その奇跡は、ある選手の突出したプレー、あるいは信じられないようなミス、サッカーの神様が演出したとしか思えないような偶然、いろいろな複合的要素が絶妙に絡まり合って生まれる。だからサッカーを見る人は大げさに言えば、奇跡を見ることに似ている。

個人的に好きなのは、試合後選手同士でエールの交換をするシーン。欧州強豪クラブではチームメイトでも国別のワールドカップでは敵として戦う。90分のプライドをかけた戦いを終えた選手同士が試合後に見せる表情が好きだ。勝っても負けても健闘をたたえ合いユニフォームを交換する。緊張感あるゲームが終わり、解き放たれた瞬間のドラマは感動的だ。

どんな奇跡が見られるのか楽しみで仕方がない。