親知らずを抜いたが…正直後悔してます。

今年の8月に軽度の虫歯?と思い通い始めた歯科。その虫歯自体はすぐに治療が終わったが、その後も歯のメンテナンスということで歯石取りやクリーニングを数回にわけ行ってもらった。

その際に親知らずを指摘され個人的には痛みも違和感もないので抜くことなど一度も考えたことが無かったのだが。歯の生え方に問題があり、奥歯から前歯に向かって斜めにはえているということで、どうブラッシングを行っても届かないところがあるのでゴミがたまり虫歯になりやすい、かつ、奥歯側から前歯を押すような形なので、歯並びが悪くなると言われ抜くことを勧められていた。もともと顎の大きさに対し歯が大きいので、要は出っ歯になるよと。

それでもずっと断っていて。
どうも健康な歯を抜くということに抵抗があったし、実生活において不便や不自由を感じていなかったから。痛みも全くなかったし。

今にして思えば、歯周病予防治療も終わりすっかりタバコのヤニや歯垢もなくなり綺麗になった状態でやめておけばよかった。最後に歯科へ入った時、親知らずは虫歯になってからでは抜くのは大変だし、高齢になり体力が落ちてからでは治療が大変になるから検討しておいてください、ということを言われ案外簡単な話に聞こえたので安易に「抜こうか」という気になった。いまの仕事環境では休みのスケジュールもはっきりしてる環境だったので。

それと女性がピアスをあける時のように、何か運気が変わるキッカケにもなればいいかな、と。悪い流れをどうにかしたかった。

先週の土曜に右上親知らずを抜いた。ほとんど生えている状態と思っていたが、相当大きな歯だった。抜歯自体は確かに案外すんなり。歯科に入ってから出るまで30分ほどだったので、簡単に抜けたほうだったのでは。抗生物質と痛み止めのロキソニン3日分を処方された。

ただ施術中気になることを言われた。「親知らずを抜いた穴が鼻に繋がる空洞と繋がった(専門用語で「交通」というらしい)ので、強く鼻を噛んだりウガイをする時には気をつけてください、ということだった。その他特段注意は言われず、当日の酒は控えたり長時間の入浴、重労働は控えるよう(血流がよくなると血がとまらない)言われただけだった。喫煙については制限ないとのことだった。

歯科からの帰り道で妙な違和感を感じた。その時は麻酔が効いているからかな、と思ったが今にして思えば上記の「交通」がその主な原因なのだが初めてなのでよくわかっていなかった。翌日は抜いたことの痛みがある程度だった。

翌日曜日には感じ無かった上顎洞との交通に圧倒的な違和感を感じたのは月曜日の朝。タバコに火が着けられない。どうも吸った空気が鼻から抜けてる。同時に口を閉じて息を吐くようなことをすると鼻からスーッと抜けるような感覚。ストローで吸うにも半分くらい空気が交じる感じで明らかにおかしいと思い始めた。

怖くなりネットで調べ始める。それなりにヒットし同様の症状はあるらしい。通常は1日〜2日で血餅(かさぶたみたいな物)で穴ふさがっていくとのこと。違和感の原因は、抜歯穴から上顎洞が交通したこと。うがいをすると鼻から水が出る人もいるらしい。正直こんなリスクがあるということは、親知らずを抜く際にまったく聞かされていなかった。事前にレントゲンやCT?のようなものである程度把握できるようだが、そのようなことは行われなかった。通常は1日〜2日で血餅(かさぶたみたいな物)で穴ふさがっていくので問題ないとのことだったが不安だった。

翌日曜日には感じ無かった上顎洞との交通に違和感が薄まったのが水曜日。しかし痛みと違和感は相変わらずで、ロキソニンが手放せない状態。ロキソニンは強力な部類の鎮痛剤で本来継続的な服用は控えたいところだけれど、痛みが気になりイライラして仕事にならないので仕方ない。処方されたロキソニンがなくなり、もう平気かと思っても痛みがひかないので、代用でバファリンを飲んだ。抗生物質もなくなり不安感が募る。歯磨きもガシガシできず、酒も控え食事も刺激するものが多いので、うどん・おかゆ・お茶漬けで凌ぐ日々。この年末に飲み会が多く予定されてるのに…

上顎洞との交通の他にネットで調べ気になっていたのが、ドライソケット。ドライソケットとは、抜歯後の傷に血餅がみられないため歯槽骨が露出し、傷に強い痛みがあることをいう。通常の場合、抜歯後に麻酔が切れれば痛みがあるが、その後は次第に痛みが弱くなっていく。しかし、ドライソケットの場合は、2〜3日後くらいから次第に痛みが強くなっていくらしい。まさに痛みが引かないのでどうにもやっかいなドライソケットになってしまってるようだ。調べると、ドライソケットの治癒には数週間から数ヶ月までと症状によって期間が異なり単純に待っていれば治癒するものでく、歯科医院でのドライソケットに対する処置、感染した骨表面の除去と出血促進による血餅の再形成が必要とのこと。もう勘弁してくれ。

今回痛感したことは。

親知らずを抜くということは、そう簡単に考えないほうが良いということ。手術という名目であれば、誰しもがしっかり治療について調べると思う。わたしはそうする。ただ今回はそのレベルで物事を考えていなかった。上顎洞との交通やドライソケットの危険など知っていれば今回の抜歯は明らかに回避していた。そして抜歯後のアナウンスも不足していたと思う。それと治癒するには時間を要するということ。うまく回復していくにも元の感覚にもどるには月単位の時間が必要だったのです。その間のQOLの低下を考えていなかった。年末に向けいろいろやるべき事があるのに、今回の一件はかなりの気力を削ぐことになり気分が優れません。親から授かった健康な身体に自ら傷をつけたようでなんとも言えない鬱屈した気分です。

今更どうしようもないけれど、積極的理由もなく親知らずを安易に抜こうと思っている人がいたら一考することをお勧めします。わたしは後悔してます。