第44回 東京モーターショー2015に行ってきた

週末に東京モーターショーに行って来ました。前回行ったのが幕張で開催された1995年第31回東京モーター ショー以来の20年ぶり。なぜ前回いつ行ったのかを覚えているといえば、1995年の東京モーターショーで注目を集めていたのが、当時ホンダが開 発を進めていたオープンスポーツカー「S2000」プロトタイプである「SSM」(スポーツ・スタディ・モデル)が出展されていたからです。あの 車をモーターショーで見たのはいつだったのだろうとググったら1995年だったと判明した次第。他にはどんな車があったのかはよく思い出せな い…。そういった意味で後年今回 のモーターショーを思い出すきっかけとなる車は、マツダロータリーエンジン車復活への思いを示したという「RX-VISION」になると思う。

友人と昼食を食べた後、りんかい線経由でビッグサイトまで。まずは東館の入り口から入るとトヨタのブース。車離れって本当?と思うほどの人の多さに早々に じっくり見ることは諦め、全体をさらーっと見ていくことに。そのうち街中でたくさん見れであろう新型プリウスにも人だかり。センターメーター継続なんですね。個人的には古いのかもしれませんが、ステアリング越しに計器類が見えるレイアウトではないと所有対象車にはならないです。コンパクトライトウエイトスポーツの「S-FR」はずんぐりとして可愛らしい雰囲気。コンパクトなFR車復活となるでしょうか。

ダイハツブースはコンパニオンの方がずらり。タントを担当していたお姉さんが素敵でした。
美人揃いで話題だったダイハツまとめ
スバルは根強いファンが多かったですね。個人的には郵便 ポストのようなボンネット吸気口をかっこいいとは思えないタイプですので、アイサイトや4WD技術等注目に値するメカニズムがありますが、どうにも内装を含むデザインがネックで今のスバルは好みではありません。クロスオーバーの新型は遠目からはそれなりに格好よく見えましたが、市販化されるときはどのようになるでしょうか。この手の車をみると、1993年の東京モーターショーで展示された「いすゞヴィークロス」の衝撃を思い出します。コンセプトカーのイメージそのままで市販化し、1997年 から 1999年(北米仕様は2002年まで)まで生産された「いすゞビークロス」は、未来的なデザインと当時は珍しかったクロスオーバーというコンセプトで時 代の一歩先を行ってましたね。

お隣レクサスの目玉は新型RXだったでしょうか。塗装の質がレクサス車はどれも良いですね。BMWではi8と新型7シリーズが目を引きます。MINIは随 分大きくなったように感じましたが、愛らしいスタイルで大人子供に大人気。特にコンバーチブルは乗り込んでみる人が次々と。三菱、ランドローバー・ジャガーブースは特に印象に残らず。

通路をまたぎ隣の東展示場へ移動。ここではスズキ、ホンダ、メルセデス・ベンツの順に。スズキはIGNISは良かったです。モデルチェンジの噂もでている軽の現行型Jimnyもしっかり展示。ホンダは新型NSXシビックタイプRにS660とスポーツモデルが注目。S660は発売から半年経過してますが注目を集め、乗り込むまでに30分待ちという盛況ぶり。一方のハイブリッドスポーツとなったNSXですがどうなんでしょう。すでにネット等で見たことがあったか らかもしれませんが、デザインを始めあまりインパクト はなかったかなぁ。インパクトといえば、展示があることを知らなかったF1マシンがあったのに驚きました。ホンダブースにはマクラーレンホンダアロンソ 仕様)、メルセデス・ベンツのブースにもメルセデスF1(ハミルトン仕様)が。

その後はFUSO、日野、いすゞとトラックやバスの展示。日野のブースでは充電スタンドが設置されていたのでiPhoneの充電をさせてもらいま した。いすゞのブースは、古めかしい青いトラックがレストア展示されていました。なんでもTX80型という1948年(67年前!)の5tトラッ クだったようです。蛇足ですが、トラックの前にいたコンパニオンの方が凄まじく可愛かったことも記しておきます。

東展示棟から西展示棟へはシャトルバスで移動し、まずは日産から。ダンスありの派手なステージで「自動運転」をテーマに多くの人が集まっていまし た。GTRの未来形?ニッサンコンセプト2020 にも人だかり(GTRの時期モデルではなく、ゲームの車を実車にしただけ!?)並んで列があると思ったらPS3ゲーム・グランツーリスモでコンセプト 2020をドライブするため だった様子。ちなみに40分待ちでした。日産車オーナーであれば、ゆったりとお茶をするスペースが確保されていました。(愛車の鍵を見せればOKだった様 子。友人は日産車オーナーなのに鍵を持ってきていなく残念そうでした。)お隣はルノー、派手な色の車が展示されていたような・・・。

その後はマツダ。黒いステージに展示車両の赤いメタリック(ソウルレッドプレミアムメタリックというのでしょうか)で統一された車達が映える。マツダといえばブルーのイメージだと思っていたら、いつのまにやら黒と赤へ大胆にシフトしておりました。高級で筋肉質な印象。結果から言えば、今回のモーターショーで一番良かったのがマツダでした。マツダがユーザーから選ばれるブランドとなるべく「ブランド価値の向上」に正面から取り組んでいることがハッキリわかる良い展示。

赤で統一された展示車は、ほぼどの車も自由に乗り降りできるよう展示されおり、側にはう美しいコンパニオンでななく男性の説明員。見ている人や乗り込んで みた人は口々に皆「いいね」「かっこいい」と称賛の声。そして車の横で見守っている説明員の方が嬉しそうに、そして熱心に来場者からの質疑に対応していて 好印象だった。高級スーツでツンとすましてクールに対応するのも良いかもしれないが、普段は表にでない技術者が車に込めた思いを直接ユーザーへ伝えていく努力はファンを増やすことでしょう。そして造り手もあれだけの反響があれば、エンジニア冥利に尽きるたのではないだろうか。

マツダの最近の車はオリジナリティのある美しいデザインで感動的ですらある。日本にアルファロメオが誕生したかのよう。次世代ロータリーエンジン 「SKYACTIV-R」を搭載したコンセプトスポーツカー「Mazda RX-VISION」にはオーラがあった。世界初のロータリースポーツ「コスモスポーツ」も展示され、ロータリーという孤高の技術もブランドイメージを向 上していく上では大いに武器になるはず。バブル崩壊後のコストダウンが目立つ車ばかりで魅力が薄く、値引きでしか勝負できなかった時代がウソのような変貌。苦しい時期もロードスターを絶やすことなく生産してきたマツダは、高級路線を推進するためデミオアテンザまでも将来はFF駆動ではなく、FR化を検討しているという。まだまだマツダだから・・・という理由で敬遠する人もいると思うけれど、車自体はとても魅力的なので先入観やイメージで選択枠から外す のはもったいない。あとは販路(販売店)のレベルアップが伴えば大きく伸びると思います。イメージって大切。

シトロエンプジョーは普段は街中でもあまり見かけないので新鮮。フランス車独特の雰囲気があり、生活が楽しくなりそうな華やかさがありました。 AudiVWディーゼルゲート事件が起こった中での展示。巨大な展示スペースにほぼ全車種というくらいたくさんの車が展示されてました。Audiは新型A4がブルーのボディーで展示されてました。ちょっとソリッドなデザインになったでしょうか。

VWは現時点日本未導入の新型ティグアンも展示されてました。AudiQ5、ポルシェマカンとコンパクト系のSUVは世界的人気ですね。個人的にはディーゼル問題があったからといってVWを嫌になったということ もなく、いまだ贔屓なメーカーですが今のラインナップで積極的に欲しくなる車が見当たりません。強いて言えばゴルフワゴンかなぁと思いますが、購買意欲はそこまで高まらず。次はワゴンかなぁ。ゴルフバッグをラゲッジスペースに収めたい。

ということで、今回のモーターショーの個人的インパクトはマツダでした。ハイパワー車や大排気量、スポーツカーは社会悪「エコ」「ハイブリッド」一辺倒だった冬の時代が過ぎ、またワクワクする車が増えてきそうな予感。2年後に行われるモーターショーではどのような車がでてくるのでしょうか。